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はじめまして小国高校です。本校の特色ある授業の紹介をします。

はじめまして。小国高校です。
最初の記事は小国高校の特色ある授業「地域に浸る講座」の紹介です。

5月23日(火)、1年生の授業「地域に浸る講座」が行われました。今年度最初の講座となる今回は、広い小国町の最南端に位置する小玉川集落で、小国町の伝統文化である「マタギ」について教えていただきました。小玉川は全国屈指の豪雪地帯である小国町の中でも突出した豪雪地帯です。マタギの方々は降り積もった真っ白な雪の上を駆ける真っ黒なクマを追います。



マタギの魅力について、現役マタギの講師の方は「マタギ仲間は、熊を獲るという目標に向かって山に入る。若い人も、年長者も対等。全ての年代の人が対等に付き合える関係性がとても面白く良いことだと思う。」と話してくださいました。山の神の前で、マタギはみな平等です。「獲れた熊の肉も対等に分け、腸の内容物以外捨てる部位は一切ない。」とのことです。


マタギの方の話を聞く高校生たち

マタギの方の話で印象的だったのは「マタギは獲物が取れなくても悲しまない。山の神様からの授かりものだから。」との言葉です。生徒もこの言葉には納得するものがあったようで、「熊は狩る対象でもありながら大切にすべきものでもあるというのが印象的」と生徒自身感じ取ったマタギの精神性をまとめてくれていました。

また、ナメ棒や腰皮などのマタギ道具や、熊の胆、熊の毛皮といった普段見ることのない物も見せていただきました。

マタギ道具「ナメ棒」

ナメ棒とはマタギが猟の際に持っていく特注の棒で、銃を撃つ際の支えにしたり山の斜面を滑って降りる際に使ったりとマタギの命ともいえる棒です。マタギはこの棒一本で斜面を滑って降りるのです。

ナメ棒の使い方を説明してくださったマタギの方

腰皮は長時間雪の上に座っていても冷たくならないように腰に巻く毛皮で、タヌキなどの皮が使われます。

マタギ道具「腰皮」

伝統文化であるマタギも道具や手法は近代化し、無線やライフル、ゴアテックスのレインウェアなど科学の賜物も活用する中、このナメ棒と腰皮は変わらず使い続けられています。

実際にマタギが持っていく装備を体験させていただきました。猟に行く際に背負うリュックはとても重く、マタギの方の苦労を身にしみて感じ、強く印象に残ったようです。ただし、実際にクマを狩ったらこの重いリュックにさらにクマ一頭が加わります。ヘッドライト一つでクマを引いて暗闇の山を下り、帰ってきたら23時になっていたこともあるとのことです。この時は猟に出てから帰ってくるまで14時間かかったそうです。マタギの方自らも「マタギがやってることは常軌を逸している」と語られます。

マタギが猟に出るときに背負うリュックを体験

さらに、わらび採りも体験させていただきました。わらびは、これもまた伝統的に小国町で重要な収入源でした。この時期でしかできない体験に生徒たちもノリノリでポキポキわらびを採りました。全部で14キロ、段ボール2箱分のわらびを持ち帰り、家庭科の先生指導の下、学校で灰汁抜きをした後、1年生みんなで頂きました。

わらび採り
収穫したわらびは全部で14kg!